シンポジウムレポート 丹羽

● 自己紹介

はじめまして、インターン生の丹羽舜人です。

名古屋大学経済学部の3年生として経済学を学んでいます。

私は中高一貫の進学校に通っていました。ですので、友達は勉強ができる人ばかりで、その中で「なんとかついていかないと。」と勉強をすることが当たり前になっていたことを覚えています。

学習機会に非常に恵まれた私ですが、この活動に参加したきっかけは柿本理事長との出会いです。この出会いを機に、勉強をしたくてもできない子どもたちの存在を知りました。当時、「挑戦する人を応援したい」と思っていた私は、自分の想いを実現できるのはこの団体なのではないかと感じ、この活動に携わらせて頂いております。

● シンポジウムを聞いて感じたこと

シンポジウムには15団体が参加されましたが、団体によってその色がかなり異なっていることに驚きました。一般的な塾のように学力を上げることを目的とした団体や、様々な背景をもつ子どもたちの居場所となるような団体。様々な形の団体がありましたが、そのどれもがきっと代表の方の想いがこもった団体なのだと思います。そして、私は柿本理事長の想いに共感して入った以上、その想いを少しでも実現させたいと改めて感じた一日でした。


● 印象に残った団体

中野よもぎ塾さんです。

当団体は勉強を教えるだけでなく、思考力や考える癖をつけてもらうことを意識して活動に取り組んでいるようでした。例えば、社会問題等のディスカッションを通して「考える力」や「表現する力」を養ってもらう時間を作っているようです。一見、成績向上のためには遠回りの取り組みに思えますが、学校のように毎日通うものではない無料塾では最適だと感じました。週に1,2回の塾で無理やり勉強を教えても、きっと家では勉強をしないままだと思うからです。であれば、まずは考えることの楽しさやマインドセットを身に着けてもらうことが近道なのではないかと考えさせられる取り組みでした。また、そうした思考力や考える癖は大人になったときに間違いなく必要なものになります。志望校に受かるという目標だけでなく、その後の人生までを見据えた取り組みだと感じました。


● シンポジウムに参加して、自分の考えに生じた変化

NPOに参加することのハードルの低さを感じました。ボランティアに参加するためには高尚な想いをもってないといけないと感じる方も少なくないかと思います。実際、私は「聖人みたいな人ばかりで堅苦しそう」と考えてしまっていました(笑)しかし、お話してみるとそのイメージは間違っており、良い意味で人間味のある方ばかりで安堵した記憶があります。そして、学生・社会人問わず様々なバックグラウンドを持った方がいらっしゃるので、そういった観点での参加も面白いなと感じました。


● 無料塾の課題について

これはよく言われていることだと思いますが、やはり認知度かなと思います。「無料で勉強を教えてくれる塾なんてあるの?」「日本に学習機会がないほど貧困な家庭なんてないでしょ。」生徒の募集や講師の募集、資金調達。なにをするにしてもこの認知度がつきまとうのかなと思います。だからこそ、団体が行っている活動を対面やSNSで地道に発信する必要があると考えます。そして、微力ながら私も活動内容の周知を行っていきたいと思います。


● 無料塾の今後について

わからないというのが正直なところですが、、

今後、仮に教育格差がなくなり、学習機会に恵まれない子どもたちがいなくなったとしても続くことを期待しています。

無料塾には学校や家庭や有料塾とは違う価値があると考えているからです。人は(特に私の場合は)他者と対話をすることで、自己理解を深めることができたり、新たな価値観に気づけたりするものだと考えています。その中でも年齢の垣根を飛び越えたコミュニティというのは非常に貴重なものだと思います。学生にとっては、若いうちから大人の価値観に触れることができ、講師にとっては、若い人の新鮮な価値観に触れることができる。このような機会を提供する無料塾が今後も続いていってほしいなと考えています。


インターン1期生

丹羽 舜人

NPO法人 東海つばめ学習会(無料塾)

東海地方で教育機会に恵まれない子どもたちへ学習支援を行っています。