#7 大学生ボランティアの想い
東海つばめ学習会に参加させていただいている、大学生ボランティアのH.Rです。
私は大学の夏休みを利用して、今年8月から9月中旬までの約1カ月半の間、この学習会に参加させていただきました。
私が東海つばめ学習会に参加しようと思ったきっかけは、大学で教育格差について研究しており、知識を学ぶだけでなく、実際に無料塾の現場に行くことで子どもたちの現状を知りたいと思ったことです。
私がボランティアをさせていただいて感じたことは、東海つばめ学習会は子どもたちにとって一つの大切な居場所となっており、勉強をする場としての機能を果たしているだけではないということ、そしてどのような家庭環境に置かれている子どもでも学習意欲の差はあまりないということです。
私は東海つばめ学習会のホームページを見てボランティアに応募させていただいたのですが、そこには「学習機会に恵まれない子どもたちに対して無償で勉強を教える無料塾」と書かれており、東海つばめ学習会は経済的な理由で学習塾に通うことができない子どもたちに勉強を教えるだけの場だと私は思っていました。しかし実際にボランティアに行くと、講師の方と楽しく話をしながら勉強している子どもたちの姿があり、私はその様子を見て子どもたちにとって学習会が大人や他校の子どもたちと関わることができる大切な場所になっていることに気づきました。
また私は大学での研究活動を通して、家庭の経済事情が子どもの学力に大きな影響を与えるということを知りました。そして私はこのボランティアに参加させていただくまで、貧しい家庭の子どもの学習意欲と裕福な家庭の子どもの学習意欲を比較すると、どうしても裕福な家庭の子どもの学習意欲の方が勝ってしまうのはないかと思っていたのですが、実際に子どもたちと関わると決してそのようなことはなく、どの子も非常に高い学習意欲があると感じました。私はそのような子どもたちの様子を見て、学習意欲があるにも関わらず経済的な理由によって学習機会を確保することができない状況は極めて残酷であり、現代社会を生きる私たち一人ひとりが向き合うべき問題だと感じました。
私は約1カ月半のボランティア活動を通して、様々なことを感じ、学ぶことができました。また柿本理事長とお話しさせていただいた時に、「もともとは貧困家庭の子どもたちを対象に東海つばめ学習会を始めたが、現在通っている子どもたちは貧困だけではない様々な事情を抱えている」と仰っていました。なので、これから東海つばめ学習会のような無料塾が広まり、子どもたちの学習機会と居場所の両方を確保するという機能を果たすことによって、現在社会問題となっている教育格差が少しでも縮小していけばいいなと思います。
最後に、一冊の本を紹介したいと思います。
この本は、大阪府にある大空小学校を舞台に書かれており、「自分がされて嫌なことは人にしない」というたった一つの校則のもとで、様々な事情を抱える子どもたちがいきいきと成長していく姿が描かれています。ぜひこの本を読んで、学校とは何か、また子どもたちにとって学校とはどうあるべきか考えてみてください。
木村泰子 『「みんなの学校」が教えてくれたこと―学び合いと育ち合いを見届けた3290日』(小学館、2015年9月16日)
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