#6 理事長の想い

いつもお世話になっております、理事長の柿本です。

久しぶりに想いブログを更新させていただきます。

今日は奉仕(Service)とボランティア(Volunteer)についてお話します。

既に、NPO法人阪神つばめ学習会の庄司理事長がこのことについて考察されています。

ボランティア≠奉仕

奉仕とボランティアは同じような意味で使いがちですが、実は全くもって別物です。

その違いは自発性の有無にあると言われます。

奉仕は「社会のために尽くすこと」で、ボランティアは「自発的に社会事業へ参加すること」です。


私たちの活動に参加してくださっている講師の先生はボランティアです。

強制力は全くなく、ご自身の私生活を優先し、余暇の時間で携わってくれています。

本当に素晴らしいですし、ありがたいなと感じています。

そして、様々な目的を持って来られます。

・平日勤務なので、週末の時間を有効活用したい。

・子どもたちと触れ合いたい。

・勉強を教えるのが好きだ。

・たくさんの人と交流したい。

・社会にとって良いことをしたい。

・法人の理念に共感した。

などなど。

社会のためという観点に立てば、最後の2つを目的に来られる方は奉仕を意識されていると言えるでしょう。


しかし、誤解してほしくないのは、私たち運営者は奉仕の視点に立たねばならないという気持ちがありますが、ボランティア講師に奉仕を求める訳ではありません。

様々な目的で来られて良いのです。それは無料塾講師の方に多様性があってほしいからです。

無料塾というのは、一般の塾と違い、教える先生が学習指導を専門としている訳ではありません。

何故それでも成り立つかというと、成績を上げることを目的としておらず、基礎学力を身につけることが目的だからです。義務教育を身につけた人であれば、大抵は学習の基礎をサポートできるはずだという前提に立っています。

また、学習支援の他に、居場所支援の意味合いも持っています。様々なバックグラウンドを持つ大人に触れて、子どもたちは知見を養い、将来の理想像に向けて歩み出します。

子どもたちが触れる大人といえば、肉親か学校の先生です。一方、無料塾に来られる講師は世代も職業もバラバラです。だからこそ、無料塾に来ることで、講師とお話をしていくことで、自分の世界が広がっていくのです。


当法人の理念は「ひとりでも多くの子どもが望み通りの人生を歩むこと」を掲げています。

学習会を立ち上げた当初から現在まで変わらず同じ理念で活動しています。

環境に左右されて、自身の選択を狭められるのは悲しいことです。

なので私たちは学習支援を通して、自分の夢や願いをかなえてほしいと思っています。


さて、奉仕とボランティアの話に戻りましょう。

私が普段よく聞かれる質問に、「平日働いて週末にボランティアやってしんどくないの、自分の時間はどうするの」というものがあります。

この質問の背景には、ボランティアが自己犠牲だという意識が話し手にあることが原因でしょう。

冒頭に出したことを振り返ります。

ボランティアは自発的にするものなのです。

自己犠牲ではないのです。

みなさんは週末のお休みに、買い物へ行ったり、カラオケをしたり、テレビを見たり、余暇を過ごされることかと思います。

それは自発的にするものですよね、おそらく誰かに強制されてやらされているものではないはずです。

人々が週末にショッピングをするような感覚で、私はボランティアをしています。もしかしたら批判もあるかもしれません、ボランティアはもっと高尚なものだと言われれば「そうかもしれませんね」とお答えします。ただ、今のところはそうです。ボランティアは趣味だと公言していますから。

ただ、このような胸の躍る趣味は他にないと自信を持って言えます。

だって、他者を幸せにできて、社会も良くなって、自分も満たされるのですから。

まさに、近江商人の唱えた「三方よし」の趣味です。

(近江商人の経営哲学のひとつ。 「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる」という考え方)


実は、私は学習会の他に、別の奉仕団体にも携わっています。

ロータリークラブと呼ばれる世界的な奉仕団体の青年組織に所属しています。

ロータリーにはモットーがあり、私の好きな言葉を一つ紹介します。

"One profits most who serves best"

"最もよく奉仕する者、最も多く報いられる"

このことからも言える通り、奉仕はすればするほど自分が満たされるのです。

私自身、21歳で学習支援を始めて、今月で29歳になり、これまでやってきて良かったなと思うことは沢山あります。

初期の教え子は来年の春から社会人になります。エントリーシートを見てください!とLINEがありました。これから立派に社会へ羽ばたいていくことを思うと感慨深いです。

この春に高校進学した男の子も自分の望んでいた学校に行けました。微力なりとも、多少は役に立ったのかなあと思います。今あっても学校生活を楽しそうにしていて、自分事のように嬉しいです。

子どもたちのために用いてくださいと支援をしてくださる方々の存在もありがたいです。普通に生活していては出会えなかったであろう方と、お話できるのはこの活動をやってたからこそです。

やっぱり自分も満たされているんだと思います。

もしこれが自己犠牲であるならば、これまで続けられませんでした。

そこまで出来た人間じゃないので。

残念ですが、マザーテレサにはなれません。。


最後に、ご支援についてお話します。

この学習会の活動は、今まで述べてきたボランティア講師の他に、みなさまからのご支援の2つがあって成り立っています。

ご支援のかたちは様々で、教室の会場をお借りしたり、必要物品も届けていただいたり、子どもたちの経験になることをご提供いただいたり、ご寄付をお預かりしたりと多岐に渡ります。

本当に感謝です。理念に共感してくださって助けてもらえる、世の中にはこんなに沢山の人が活動のことを知ってくれて、手を差し伸べてくれるんだと感動したものです。

支援に共通しているのは、子どもたちのために用いてくださいという想いです。

なので、私たち学習会はお預かりした支援は子どもたちのために使いたいと思っています。

事務所を持っている訳でもなければ、電話を契約している訳でもないです。

本当に必要最低限の経費で運営しています。

もし将来的にそういったことにお金を用いるなら、自活でやらないといけないなという気持ちです。

子どもたちのためにというみなさんの想いを無下にしたくないからです。

それというのも、始めてすぐの頃は、全ての経費を自分の給料の中からやっていました。

もちろん出来てすぐに支援がある訳ではないので、手弁当でやるのは当然ですが、だからこそ大切に用いようという気持ちが今でもあります。

もしも「どうしてお金を出してまでボランティアをしようと思ったの?」という質問があるのであれば、このようにお答えします。

ボランティアは趣味なので、趣味にお金がかかるのは当然だからです。ダイビングをするのが好きで、週末に海へ潜りにいくのであれば、それにお金を使いますからね。


以上が、今回の私の想いです。

ボランティアと奉仕について、それに派生して、ご支援のことを論じました。

この活動は本当に面白いです、断言します。

なので、みなさんも是非ボランティア携わってみてください!


NPO法人東海つばめ学習会

理事長 柿本知樹

NPO法人 東海つばめ学習会(無料塾)

東海地方で教育機会に恵まれない子どもたちへ学習支援を行っています。